Jonathan IveがCEOに就くべき?
Forbesの記事 With Apple Profit Falling, Board Should Replace Tim Cook with Jony Ive がちょっとした話題になってるようです。先日行われたアップルの前四半期の決算発表を受けたこの記事(by Peter Cohan)では、アップルがさらなる成長を続けるためには、現CEOであるTim Cookにとって代わり、同社の現インダストリアルデザイン部門上級副社長でありHI部門も統括するJonathan IveがCEO職につくべきだ、というのです。前四半期、アップルの総利益は増えたものの純利益が横ばいであったことを考慮しての見解のようです。
Computerworldはこの記事に対して「アイヴにCEOを任せるのはスティーヴ・ウォズニアックにCEOをやれ、っていうのと同じだ」として「クックは新しいカテゴリ・キラーを創出できていない」「だからデザインを担当するアイヴがやるべきなんだ」というピーター・コーハンの論旨に反論してます。
The Mac Observerも「スティーブ・ジョブズが後継者として選んだ人物なんだから、信頼すべきなんじゃないのか。あと2、3年は見守る必要があるだろう」とForbesの記事にはおかんむりのようです。
ただComputerworldも「クックは新しいカテゴリ・キラーを創出できていない」というコーハンの見解には特に異論はないようですし、Mac Observerも、現状が少々問題だ、という認識は持っているのは明らかです。
個人的には、アップルには小休止が必要なのではないかな、と思ってます。
1984年にコンピューターを「パーソナル」なものとして一般化させる画期的商品を生み出し、2001年に音楽視聴環境に大変革を起こす商品を生み出し、2007年にはタッチスクリーンを備えた携帯電話機能付きインターネット端末で通信業界に革命を起こし、2010年にはそれまでにあらゆる会社がトライして失敗し続けてきたタブレット端末を発売し、現在の「ポストPC」時代の先鞭をつけたのが、アップルです。
特にiPad以降の変化は凄まじいものです。まだ3年ですよ。世の中にとっては、ある種のショック状態が起こっていると見てもいいのではないかと思うぐらいです。つまり、まだまだ社会が現在のメディア環境に起こっている変化についていっていない。その間に、あまたの会社がコピー商品をつくって便乗している。
まあ、わたしは本当の当事者では全然ないので、利益の増減について切羽詰まったところがないのでこういうふうに言えてしまうのはわかってますが、何にしろ、あまりに強く、それも急激に出過ぎると、いろいろと問題は起こるのは当然のことかと思います。
ジョブズがマーケティングの人でありサプライチェーンの人であるクックを後継者に選んだことについては、アップルの価値を普遍化するにふさわしい人物だとジョブズがみなしたからであることは間違いないでしょうし、クックはその仕事をじゅうぶんにやってる、とわたしは思います。大変革が起こったあとに、地ならしをしている。私はそういうふうに見ています。
将来、さらなる価値の創出が必要になったときに、アップルの哲学を継承するアイヴが指揮をとるべき時期が来る、というのもこれは予想されることです。だから、CEO候補としてアイヴの名前があがるということについても、なるほどという気もします。
というか、この純利益の横ばいは、製品の売上が落ちた(日本の一部メディア(追記:だけじゃないですね)はそういうふうにしたい様子ですが)ことではなくて、下請けとか特許の問題とか、別の原因もいろいろと作用しているはずです。
ともあれ大事なのは、アップルが創出してきた価値の意味と歴史を、短期的な利益の増減にとらわれず、記憶し続けておくことです。
iPad mini =タブレット最強説
見送ろうと思っていたんですけどねぇ・・・。
今回、「Kindleに似ている」というジョン・グルーバーのiPad mini評があって、このあたりどうなのだろう、と気になっていたのが、最終的に購入してしまった理由といえば理由です。(こっそり)Kindle 2とKindle Touchを使っている私ですが、KindleにはKindleなりの独特の質感があると思っています。全然チープではないし、仕上がり感も良い。ただ、それがiPad miniと似ている、という説明には違和感があって、そのまま心斎橋のストアで実機を見たわけです。案の定、違ったのです。ぜんぜん違う。違うじゃないか。
お兄さんに希望のモデルの在庫を尋ねると案の定「残念ながら昨日のうちに・・・」という返答だったので(見送りを決め込んでいた私としては安心して)ストアを後にし、まあ無いだろうと思って念のためビッ◯カ◯ラなんば店のアップルショップへと行きました。店員さんに、
「無いですよね」と余裕で聞くと、「ありますよ」という返事が。
「あと2台です」って。あは。
グルーバーのiPad mini評は、私には十分な釣り効果がありました(笑)。他にも釣られた人がいたのではないかと。
というわけで、1日使ってみました。
最強かもしれません。
確かにRetinaディスプレイに慣れた目で見ると解像度は気になるところなんですが、それは重要な問題ではありません。それを補って余りある、処理の速さと、軽さと、余裕のバッテリーの持ちと、常に側に置いていたいと思わせる絶妙なサイズと質感。
亡きジョブズがDOA(Dead On Arrival)だと酷評しつつ、実のところマーケットは存在するとも認めていた、というこのカテゴリのタブレットですが、英ガーディアンがこの辺り突っ込んだ分析をしています。これによるとNexus 7 や Kindle Fireがジョブズが言っいたように10インチiPadのディスプレイ面積の45%にとどまっているのに対し、対角線が7.85インチのiPad miniがオリジナルiPadのおよそ3分の2の面積を確保しているということなのです。
タッチパネルだけに画面の大きさの違いは重要ですが、これが案外、10インチiPadとの使用感を、なんだかほとんど感じないぐらい、余裕のタッチ操作ができる。
個人的には、近年のアップルは異常なまでにモバイルマシンのバッテリーのスペックに拘りを見せている気がするのですが、最初のタブレットとして7インチを考えるときに、このバッテリーのバランスは当時はまだネックになっていたのではないかと勝手に想像したりしています。
それに2010年という含蓄のある年に成熟したタブレット製品を満を持して出すのであれば、最低でも10インチ程度の大きさは必要だった、というのは、十分あり得る話でもあります(これを以ってアップルのデザインを批判するSamsungの論旨には脱力感しか感じませんが)。
ともあれ、まだ使用2日目のiPad miniですが、これからが楽しみなデバイスです。
アップルのUIが変わる
米・アップル社のモバイルソフトウェア(iOS)担当上級副社長 スコット・フォーストール氏の退任が報じられています。iOS 6の地図アプリ問題に絡むものであることは間違いないようで、長年iOS開発を牽引してきた氏の退任については、正直なところ残念な気持ちがあります。当然ながら、彼をめぐってライバル企業の争奪戦が起こることも予想され、Business Insiderは「業界史上最も高額なフリーエージェント選手」として、FacebookやAmazonなど、彼がモバイルプロジェクトのボスになれそうな企業の名を挙げています(GoogleにはすでにAndy Rubinがいること、Microsoftについては、Windows 8など現在の取り組みがスコットの思想とかけ離れていることから、除外しています)。
というニュースの裏で、実質的にフォーストール氏の退任をうけた異動についてのアップルの公式発表がすでに行われました。これによると、インダストリアルデザイン担当上級副社長 ジョナサン・アイヴ氏がヒューマン・インターフェース部門の指揮をとることになった、ということです。他に、エディー・キュー氏はiTunesやApp Storeなどオンラインサービス統括に加えてSiriとMapsアプリを担当、クレイグ・フェデリーギ氏がOS Xに加えiOSも担当、ボブ・マンスフィールド氏が半導体部門に加え、ワイヤレス技術全般を扱う新規の「テクノロジー」部門を統括する、ということです。フォーストール氏とともに退任が発表されたリテール部門担当ジョン・ブロウェット氏は、今年はじめに着任したばかりでしたが、この部門についてはティム・クックCEOが直接統括するということです。
この動きのなかでやはり重要なのは、ジョナサン・アイヴ氏がHI部門の責任者となることでしょう。アイヴ氏がHI部門を担当することでまず変化が現れそうなのが、スキュアモーフィズム(skeuomorphism)というアプローチが採用されてきた領域です。これは例えば実物のノートのイメージを元にデザインされたメモアプリや、Podcastアプリで番組再生中に現れるオープリールのデザイン(これはこれでよくできたギミックだとは思いますが)などのように、実在する物を元にインターフェースをデザインする手法のことで、OS XとiOS両方のアップル純正ソフトウェアに広く使われてきた手法です。これについてはユーザーや批評家含め賛否がいろいろとあったのですが、アップル社内でも反対意見は当然あって、実のところその最先鋒がジョナサン・アイヴでした。過去のインタビューでもそのことを匂わせる反応をアイヴ氏は見せていましたが、彼がHI部門を担当することになると、恐らくは一番早く手をつけそうなのがこの辺りの問題ではないかと思われます。
何より、ハードウェアのデザインのみならず、ソフトウェアの「デザイン」つまり、アップル製品の「見た目」全てにジョニーのセンスが反映されるわけです。そしてこのことがどれほどのことを意味するのかが、まだよく把握できない状態です。
あるいは非常にドラスティックな変化が起こる可能性も無くはない? これは風雲急を告げる事態になるのでしょうか。
ティム・クックからのメッセージ
アップル前CEO スティーブ・ジョブズ氏の死後一年をうけて、現CEO ティム・クック氏のメッセージならびにメモリアル映像+音声がアップルの公式サイト上で公開されています。すこしばかり、感傷に浸ってしまいました。
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A message from Tim Cook, Apple’s CEO
Steve’s passing one year ago today was a sad and difficult time for all of us. I hope that today everyone will reflect on his extraordinary life and the many ways he made the world a better place.
One of the greatest gifts Steve gave to the world is Apple. No company has ever inspired such creativity or set such high standards for itself. Our values originated from Steve and his spirit will forever be the foundation of Apple. We share the great privilege and responsibility of carrying his legacy into the future.
I’m incredibly proud of the work we are doing, delivering product that our customers love and dreaming up new ones that will delight them down the road. It’s a wonderful tribute to Steve’s memory and everything he stood for.
Tim
1年前、スティーブが亡くたったことは、私たち皆にとって悲しく、つらい出来事でした。今日、みなさんが、彼の類まれなる人生と、彼が多くの点で世界をより良い場所にしたということについて、思いを馳せてくれていることを願います。
スティーブが世界に残してくれた最高の贈り物のひとつが、アップルという会社です。これほどまでの創造力を発揮し、これほどまでに高度な要求水準を自らに課した会社は、他にありません。われわれの価値観はスティーブに由来し、彼のスピリットは永遠にアップルの礎となることでしょう。私たちが共有するのは、彼が残した遺産を未来に引き継ぐことができるという特権であると同時に、その責任なのです。
私たちが今取り組んでいること、ユーザーのみなさんに愛していただける製品をお届けし、将来にわたって皆さんに喜んでいただける製品を開発していることを、私はとても、とても誇りに思っています。それが、スティーブに対する、そして彼が敬意を表したすべてのものに対する、最高の手向けでもあるのです。
ティム
iPhone 5付属のイヤフォンやいかに。
iPhone付属のイヤフォンの形状が、iPhone 5から大きく変わりました(第5世代iPod touchと第7世代iPod nanoも同様)。
その名も EarPods。今回はケースに入ってます。
アップルマーク入り。裏は…
きっちり。持ち運び用にもよさそうですが、入れ直すのに少々手間がかかりそうです。で、取り出すと…
鯉のお口っぽいのが可愛いです。
耳につけてみましたが、旧型イヤフォンと比べて奥行きがあり、耳から外れにくい形状です。その分気密性が高まるせいでしょうか、中低音域の再現性が格段に改善されている感じがします。まだ移動中に試していないのですが、環境音がどの程度遮断されているかによって、音量の調節に多少気をつかう必要があるかもしれません。ただこれは、音質が非常に良いことの裏返しでもあるかと思うので、難しいですね。聴く側の責任が求められるところかと。
最近は移動中にはもっぱらMotorolaのS9-HDを使っていたので有線のヘッドセットはご無沙汰でしたが、今回のEarPodsについてはS9と併用したいと思わせる良さがありそうです。期待。
iPhone 5 雑感。
幸いなことに発売当日に手にすることができたiPhone 5。
手にとってまず「軽い」と感じます。そして薄い。先代より18%薄く、20%軽くなった、とは言いますが、数字から受ける印象より、実際に手にしたときのインパクトが非常に大きい。見た目以上に薄く、軽いです。あと、縦長になったので、iPhone 4を持っていた感覚で片手で持つと上部が手からはみ出るので、最初は少し不安定な感じがしました。が今は慣れました。
その縦長になった恩恵のひとつが、ディスプレイ上でのアプリの表示数の増加。横幅はそのままで縦にちょうどアプリ1つ分長くなり、縦5×横4=20だったのが縦6×横4=24表示するようになりました。
たった1段分にもかかわらず、ものすごい余裕を感じます。iPhone 4は16GBモデルだったので、もちろん必要なアプリ、音楽、写真/動画の取捨選択をこまめにしていれば問題はなかったのですが、やはり容量不足を感じていました。今回、思い切って64GBモデルにしたのですが、ディスプレイの拡大による恩恵を十分に感じることができそうです。
電波品質については、私の居住地域ではLTEの恩恵はまだ十分には受けることができないようなので残念です。これについては移動中にLTEサービスが行われている区域にも入るでしょうから、いろいろと体感してみます。
そしてテザリング。
上記の理由でしばらくは3G回線でのテザリングが主になりそうですが、必要な情報を検索したりたまに動画を見たり、という用途をそもそも想定していたので、十分すぎるほどです。私の家では下り最大5Mbpsほどしか出ませんが、現在使用しているモバイルルータと同程度かそれ以上で、全く何の不便もありません。
そして話題になっている7GB制限。実際はテザリングサービス追加で500MBプラス(auの場合500円かかりますが、2年間は無料です)され7.5GBですが、これは使ってみないとわからないので、追々レポートします。前の記事に書きましたが、今のところ全く問題は無いだろうと予想しています。(追記:後から知りましたが、無料期間中は500MBは追加されず7GB制限でテザリングが可能とのこと。つまり500円払う必要はないけど、容量も増えないということなので、注意が必要です。これはショップのおねいさんもわかってなかったぞ。いずれにせよ7GBは十分な制限ですが)
とりあえず第一印象をつらつらと並べただけですが、参考にしていただければと思います。以下続編に続く。
「7GB」がひとり歩きしてますね
「7GB」が歩いてます。
この制限については、本当に個人差の問題が関わってきますので、一度しっかりと検証する必要があります。
スマホやモバイルルーターをご使用中の方であれば、請求書に記載のパケット使用量を確認し、こちらの7AQUAさんの「パケット・バイト・料金換算」などで換算できますし、まだこれから、という方であれば、でじつべさんの記事 「「7GBってどれくらいだよ!」とお怒りのあなたのために「7GBチェッカー」を作りました:au iPhone5テザリングのご参考にどうぞ」 などは非常に役立ちそうです。
真っ当なもの扇情的なもの含めて情報が錯綜しておりますので、まずはご自分の使い方にとっての「7GB(というか7.5GB)」の価値を確認されるのがよろしいかと思います。(追記:auについては、テザリングは追加500円で500MBプラスされて可能、というのが基本ですが、2年間の無料期間は追加金なしでテザリングできる代わりに、容量も増えないとのこと。ややこしいぞ)
私は(もともとテザリング目当てではありませんでしたが)auに移行する予定です。7GB(というか7.5GB)の制限つきテザリングは、当然、メインの無線回線としての利用を考えている方には使えたものではありませんが、主に出先でのちょっと使いのサブ回線として利用する予定の私のようなユーザーには、十分すぎるほどかと思います。
あと、3日で1GBを超えるとその次の日に制限がかかる、という規制についても、多少の気遣いで十分クリアできるレベルのものだと私は判断しております。
iPhone 5 のキャリア選び。私は au にします。
やっぱりモノリスですね。
iPhone 5のキャリア選び、悩ましい状況になっておりますね。
私としましては、この度 au にキャリア変更することにしました。
au がテザリングに対応することを早々に発表したことはもちろん朗報になりましたが、それがなかったとしても、私の地域(田舎は田舎ですが、人口密集率は決して低くないハズ)におけるSBの電波品質にたいする不満が解消されないことが、最大の原因です。新しいiPhoneを機会にキャリア変更しようというのは、かなり前から決めていたことです。
それと、ぐっとこらえてiPhone 4Sを我慢していたので、機種変のタイミングであるということもあります。
au、SBともに料金体系に殆ど差がないことが悩みのタネ、という方も多いかと思うのですが、決め手となるポイントのひとつはやはり、このテザリングへの対応の有無、そして7GBのパケット通信量制限の有無かと思われます。auは7GBで制限がかかり、これを超えると月末まで128kbpsで我慢するか、2GBごとに追加料金を払うか、のどちらか。SBは無制限だけれど、テザリング未開放。(追記:auのテザリング機能については追加500円で500MB分の通信量がついてきます。でこの500円も2年間無料なので、2年後の対策さえしっかり考えておけば、基本料に実質変化なしです)
条件の違いが明らかになったときに、すこし考えました。テザリング有りといっても制限がつくようでは安心してPCでのブラウジングができないな、と。7GBって、結構すぐ行っちゃうんじゃないか、と。それならこのままSBに留まって、e-mobileもLTEへの誘導キャンペーンやってるしこれに乗っかっておこうか、と。
ここでやはり「7GB」の制限で、どれぐらいのことができるのか、が問題になってくるわけです。
で、私が普段どれくらいパケットを消費しているのか、今まで正直考えたことがなかったので、調べてみました。
ここ1年、モバイルルータはGP02を使っております。で、iPhone 4とGP02のパケット使用量ですが、両方あわせて7GBを超えた月は一度もなかったのです。一番通信量が多かった月で6GB弱、通常は4GBで収まっていることが多い。私の利用ケースでは、auが提示している条件内で十分収まることがわかりました。今までは双方無制限でしたので結構野放図に使っていた感じがしますが、それでもせいぜい6GBというのは、正直驚きでした。
モバイルルータ利用時は大容量データのダウンロードだけはしないことを心がけてはいましたが、動画閲覧などは特に意識せずにしていたので、この点だけ注意すれば概ねこれまで同様の消費量で済むのかなと。iPhone 5購入後、LTEは基本オフでしばらく様子を伺いつつ、通信量の具合を見ていこうと思っています。
というわけで、e-mobileのルーターも必要なくなるかもしれません。しばらく様子を伺いますが、これで長年の念願だったiPhone +MacBook(/iPad)のみのモバイルライフも夢じゃなくなるかもしれません。
やはりまずはパケット消費量のチェックですね。
早晩、SBもテザリング対応はしてくるでしょうし、エリア拡充、電波品質の改善も行われるでしょう。私については、今回は条件に合わなかったということになります。ともあれ、5年間お世話になったSBには感謝です。
iPhone 5は宝石か
フェティッシュ。
日本語にすると「呪物」などとおどろおどろしい語感がありますが、私の場合iPhoneを使っている理由は、その機能や使いやすさなどの秀逸さはもちろんなのですが、工業製品の域を遥かに超えているように思わせる、モノとしての魅力にあります。
いみじくも、先日のiPhone 5発表イベントで、フィル・シラーはこの新製品を “It is an absolute jewel.”(完全なる宝石)と形容していました。
iPhone 4/4sのエッジの効いたシャープなデザインのモチーフは維持しつつも、結晶性ダイヤモンドによる非常に繊細な面取り加工を施した新しいiPhoneのデザインは、もうこれは特異なる造形美を備えた芸術品のそれです。
いっぽうでこれは工業製品、つまり人々が日常的に使う通信端末であり、情報検索端末であり、記憶媒体でもある。
2008年に3Gを入手しそびれた私が念願のiPhoneを使い始めたのは2009年、後発組の私なのですが、3GSを最初に手にし、一旦はケースを購入したものの、一週間でそれを取り外し、以来、iPhone裸族を通してきています。裸でiPhoneを使うというのは、決してお勧めできる使い方ではありません。何せ、落とした時のリスクは大きいですから。
でも、私にとっては、このデザインがあってのiPhone。正直なところ、ケースに入れてしまえばiPhoneではない、と言ってしまえるぐらいの偏愛ぶりです。
かつてスティーブ・ジョブズは、iPodの裏面のアルミに傷がつく様がいいじゃないか、ケースには入れるな、と言っていましたが、正直、私としては私のiPhoneに傷は入れたくない(笑)。でも、その素晴らしいデザインは常に手で感じていたい。このあたりは、常にせめぎあいなんですが、結局は裸族を通しています。iPhone 5でそれを貫けるかどうかは、実機を手にとってみないとわからないのですが、たぶん、裸族を通すでしょう。
私は宝石には魅力を感じない愚かな人間なので、実はシラーの宝石の比喩にはピンと来ない。ただその意味では、私にとってiPhoneは宝石以上の存在なのかもしれない、と思ったりもしています。でも、飾っておくためのモノでもない。常に身近にあって、愛で、かつ役に立つモノ。
偏愛しても、仕方ないですよね?
アップルはなぜ訴えるのか
アップルとサムスンの特許訴訟問題が、民法テレビのスポットニュースでも取り上げられるほどの問題となっています。
そもそも、この業界で、特にアップルとの関連で、これほどまでに特許が問題になる理由って、なんだろう、と業界の外側にいる私などは、わかるようでわからない気持ちでおりましたところ、Cult of Macの記事 “Why Apple Sues” が結構参考になりました。以下に訳です。
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アップルについて語る批評家は寛容にも、アップルが訴訟を起こす動機は様々だ、と言う。
アップルが訴えるのは、市場をコントロールし、高値をふっかけ、競合他社を締め出し、”think different” しない他社を罰するためだ。これは、テクノロジー分野におけるグローバル規模での支配を追求するアップルにとって必要な過程である。
しかし、これらはアップルの本当の動機ではない。これらは確かに感情に訴えかけるし、正当なものに見える。ただ、技術的、法的、倫理的問題は壮大なまでに複雑であり、だからこそアップルは正しい、間違ってる、という意見に人々を同調させようと、耳障りの良い言葉にまとめる各々の論者のやり方には弊害もある。
アップルが訴訟に打って出る動機はただひとつだ。それをここに述べようと思う。
・そもそも特許訴訟とは何?
ガジェット好きの人々にとって、会社間の訴訟は、製品とは関係ないところで攻撃しあっている行為のように見える。まるで自分の親が互いに罵り合っているような気持ちになる。それは精神的に疲れるもので、だれもがやめて欲しいと願っている。
しかし、会社側はそういう感覚じゃない。彼らにとっては、訴訟は結婚相談のようなものだ。裁判所は単に仲裁によって意見の相違を解決する場であり、その決定によって双方を論理的に拘束するための過程である。
さらに言えば、訴訟はより大きな、全社的なイノベーションの発展や保護を見据えた計画の一部である。
会社はR&Dに投資する。社員はスマートに困難な問題を解決する。新たなアイデアを創出する。元となるアイデアは特許出願という形で明確にされ、それぞれの国の法律に従って当局に提出される。法制度のもとでそれら特許を守らないならば、これらの行為が無に帰することになる。
・訴訟を憎んで人を憎まず
自らをアップルの擁護者であると称する人は往々にしてシステムが悪いと考えている、と私は見る。
いっぽうアップルを批判する人々は、アップルが必要以上に攻撃的であると誤解しているため、アップルに批判的になる。何もできない他社は、いい会社だ、という誤解もここに生まれる。
厳密に言うならば、これらの論者は、大きなことはいいけれど、小さいことは特許化すべきではない、と考えている。特許にできるのは機能であり、デザインとか見た目、感じ方といったものは、そうではない、ということだ。
実際のところ、アメリカの現行法では、とても小さなところまで特許化できる。デザインもそうだ。
ひょっとしたら、こうしたものは特許化すべきではないのかもしれない。しかし現実にはできる。そして、これを特許としなければ、そして侵害された時に訴えなければ、他社がやってしまう。これが現在の制度なのだ。
特許制度が好きな人はいない。アメリカがフェアで合理的でイノベーションを最大化できる特許制度を持つ国になることを皆が夢見ている。しかしそうしている間にも会社は製品を出荷せねばならず、夢見ている暇などないのだ。現行制度のもとで、伸るか反るかで、動いている。
アップルは、まさにそういう状態なのだ。ある電話を作った。特許侵害で発売できない、てなことになれば、一夜のうちにアウトだ。サムソンと比較すればいい。他にあてに出来る製品はゴマンとある。冷蔵庫もあればテレビもあればカメラもあれば、なんでもありだ。
アップルにとっては、イノベーションを進めて保護する手続きは、会社の存続のために重要なのだ。これを正当化することが死活問題であるからこそ、かれらはやるのだ。
・なぜ会社は訴えるのか
特許問題で会社が訴訟をおこす理由は、一般的にさまざまだ。
経営不振に陥った会社はキャッシュがどうしても必要である。棚卸資産を計上するとき、栄光の時代に特許をとった知財は今や不必要な資本となる。コダックやYahooは、こうした理由により訴訟を起こす。
復讐を目的とする会社もある。彼らは訴えられたから、その反応として訴える。例えば、あー、サムスン。これはボクシングのようなものだ。敵がアプローチしてきたら、すぐさま応酬する。相手に心理的にダメージを与えるためでもある。
R&Dを金銭化する、というより率直な目的を持つ会社もある。自分たちのアイデアを他が使うなら、月々の収入をそこから得たい。マイクロソフトがそうだ。
投機もある。パテント・トロールはサイコロを振って、他社のR&Dを買う。どこかの会社が特許侵害し、その解決金が購入価格を上回ることを当て込むのである。
他の投機としては、あるとても小さな会社の特許と共通する特許を、あるとても大きな会社が持っている、それを裁判所が特許侵害と見なしてくれる可能性がある場合。本質的なことだが、小さな会社は行動のきっかけが欲しい。アップルが抱える多くの訴訟はこれに属する。SiriやFacetimeなどで使われている特許に関する訴訟は、まさにこれだ。
しかし、アップルの動機は、上記のどれでもない。
・なぜアップルは訴えるのか
アップルにとっての悪夢は、世の中の携帯電話やタブレットが、すべて同じに見えてしまうことであり、消費者が価格や処理能力その他の理由でそれらを買うことだ。
アップルが訴えるのは、他社の製品がアップル製品と同じ見た目や手触りや機能を持つことを防ぐためだ。
つまり、アップルのイノベーションとその保護のための行いは、自らの製品が、付加価値のないつまらないものに、なし崩し的になってしまうこととの戦いなのだ。
これらの訴訟はほとんどが過去の製品に関するものだが、原理的には未来の製品のためでもある。予防策なのだ。裁判による判断がくだされることで、競合他社の意思決定プロセスも変わってくるわけである。
アップルとサムスンの件には関係していない弁護士のロバート・W・ディッカーソン Jr.は、New York Timesに次のように述べている。「会社というものは将来、自らの製品を、他社のものとどの程度同じに見せたいか、感じさせたいか、を考えねばならなくなる。形、大きさ、触った感じ、見え方、ロゴマークに至るまで」
商品分布の一端には、成熟しきった商品がある。原油とか、例えばブドウ糖果糖液糖なども。こうした商品は、もっぱら価格を基準に取引される。原油の樽(バレル)に凝ったラベルはいらない。
分布のもう一方に、そうした商品と対極のものがある。ブランドに対する好みや忠誠心、あるいはこの会社しか作っていないと思わせるようなクオリティをもつものがあれば、製造者が価格を決定できる。マクドナルドのビッグ・マックやトヨタのプリウスがその例だ。
どんな業界の製品にでも、高付加価値商品と一般商品との戦いはあるものだ。自分たちの靴もブランドもユニークだ、と主張するナイキのような会社に、ちょっとばかしたくさん払ってもいいと思う人もいる。でも、ナイキみたいだけど、ナイキより安いよ、というメッセージで客を集める会社もある。
数年前、LEGOが中国の会社COKOを訴えた。理由はCOKOのブロックがLEGOそっくりだったからだ。互換性はなかったし、COKOはイノベーション――少し違った色合いと、ミニフィグ「のような」キャラクター――も作り出していた。しかしLEGOは訴え、COKOは製造をやめた。
COKOは、カラフルなプラスチック製のおもちゃをより手頃な一般商品にしたいと考えた。LEGOは、ブランドの競争力を保ち商品を差異化することで、自らの製品の一般商品化と業界の価値低下を防ぎたかった。
どの業界でも起こる問題で、それがモバイル機器マーケットでも起こっている。
グローバルブランドの意識調査では、アップルはトップの常連だ。その理由は、アップルが一般商品化に対する戦いに継続的に勝ってこれたからだ。
サムスンについて興味深いことは、サムスンはどちらのフィールドでもプレイしていることだ。サムスンは(Googleみたいに)高付加価値商品から一般商品にいたるまで、なんでもござれの会社だ。成功の理由のひとつは、ここにある。
もちろん、サムスンもイノベーションの会社ではある。いっぽうでコピーもする。ブランド志向の製品も作れば、ジェネリックもやる。なんでもやるのだ。
しかし、アップルはスペシャリストなのだ。彼らは、商品の一般化には、徹底的に抗う。そのストラテジーの一環に、商品の一般化への戦いがある。
アップルが訴える理由は、これなのだ。
(了)






















