ジョブズへの、そして我々へのメッセージ

“Wish we could say more.” イベントから2日経ち、明日はいよいよ iPhone 6/6Plus の予約日です。私も近所のショップに行って、予約時間を確認して参りました(笑)。

イベントの余韻に浸りながら、あらためて冒頭に提示された “Perspective” のイメージビデオを見ていました。当日は、ああ、ジョニーのいつもの哲学が語られているなと思っていましたが、あらためてじっくりと見ると、あるメッセージが隠されていることに気が付きました。

それは、故スティーヴ・ジョブズへのメッセージです。以下は “Perspective”に現れた文字の全文と日本語訳です。

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常にものごとを違った目で見てきた人々よ。
すでにある道ではなく、ビジョンを追う人々よ。
他の人間は新しいものに価値があると考えるが、あなたは、新しいものの中でも実際に大切なものに価値を置く。
他の人間は「新しさ」に惑わされるが、あなたは、その新しい試みの重要性に重きをおく。
ものごとを変える方法が分かる前にすでに、わたしたちがものごとを変えられるということを、あなたは疑わなかった。
そしてわたしたちはそれを成し遂げた。一緒に。
何度も、何度も。
いつも楽観的でいることで、世界は前に進んでいく。
だから、ものごとを違う目で、見続けていこう。
違う方法が、より良い方法が、より大きな方法があることを、常に信じよう。
人間性を高めていく方法を。
障壁は、取り払うんだ。
そして見晴らしを良くしよう。
あなたは、今ある世界とは違うものだ。でも、だから、世界はより良い場所になる。
そして、その「違い」こそが、私たちの中に、変わらず存在しているものなんだ。

Here’s to those who have always seen things differently.
The ones who follow a vision, not a path.
Where others perceive first as valuable, you value the first thing that actually matters.
While others are distracted by the new, you focus on the significance of a whole new take.
Even before you could see how change things, you never doubted we would change things.
And then we did together.
Again, and, again. . .
Relentless optimism is what moves the world forward.
So keep seeing things differently.
Keep trusting there is always another way, a better way, a bigger way.
One that lifts up humanity.
Breaks down our barriers.
And heals the landscape.
You are the difference between the world as it was and the better place it will become.
And different is the one thing about us that will always be the same.

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アップルのものづくりに関するメッセージは、重要なイベントには時折現れるもので、概ね、アップルのインダストリアル・デザイン担当上級副社長ジョナサン・アイブの哲学を示すものだと考えられます。

“see things differently” といった文言からわかるのは、これはもちろん、あの伝説的なアップルの “Think Different” CMへのオマージュだということです。

最初見た時は、ああ、アイヴらしいな、と、流す感じでみていたんですが、よく見てみると、今回のメッセージで違ったのは、文言のすべてが不特定多数の人間に向けられてはいないということでした。

“you” はもちろん、不特定多数の「あなたがた」を意味しますが、5番目の文のyouだけは「あなたがた」ではなく、「あなた」を意味する。なぜか。5番目と6番目の2文だけ、過去形の動詞が使われています。

「ものごとを変える方法が分かる前にすでに、わたしたちがものごとを変えられるということを、あなたは疑わなかった。そしてわたしたちはそれを成し遂げた。一緒に」

この “you” だけは、ジョブズを意味する。でも、その他の “you” は、このメッセージを聞くわれわれすべてのことを意味しうるし、そうした目で見てみると、われわれを意味する “you” に、ジョブズのことを言っているように見えるものも、ある。

つまり、アップルという会社(もしくはクック、またはアイヴ)は、アップルが「新たな歴史」を刻むと宣言したイベントを象徴するメッセージのなかで、このイベントを見ているすべての人々のなかに、ジョブズその人を見出そうとした。そう思えてしまうトリックなのだと感じました。

実際、スマートフォンにしろ、ウェアラブル端末にしろ、今のアップルは後追いだ、という批評は少なくありません。ただ、一度製品を手にすれば、他のものとはちがうことがたちどころにわかってしまうのが、アップル製品の凄さだと、私は思っています。いろんな情報を得て、似た製品を作ることはできる。でも、それはあくまで似た製品です。

アップルに興味がない人々は、なぜあんなに夢中になるのだろう、と不思議がる。でも、一度でも手に取れば、その理由はすぐにわかる。

今まで私は、ジョブズを、とても遠い存在のように考えていました。でも、このメッセージの、こうした理解の仕方が間違っていないなら、ジョブズはとても近い存在であると思っていいのだ、と感じました。

ストン、と、落ちました(笑)。

apple_Spt2014_perspective

11. 9月 2014 by zacky1016
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ついに出た、”One more thing…”

1984年にはMacintosh、1998年にiMacが発表されたフリント・センターで開かれた “Wish we could say more.” イベント。

今回発表されたのは iPhone 6, iPhone 6 Plus, iOS 8 の正式ローンチ、(Apple) Pay、そして待望の (Apple) Watch と、非常に動きの大きいイベントとなりました。

発表内容の概要は…

iPhone 6は4.7インチ、6 Plusは5.5インチと、ともに5sより画面が大型化。Retinaディスプレイも新たに高解像度化。また筐体もより薄型化、エッジの利いたデザインを排し、陽極酸化アルミ筐体とイオン強化ガラスがシームレスに接合された構造に。ピクセルに至っては 6 が100万画素以上、6 Plus は200万画素以上となり、より多くの情報量を表示。ホーム画面にランドスケープモードも加わる。

iPhone アプリは今や130万以上。A8プロセッサは処理能力が25%アップ、グラフィクスは50%高速化。初代のiPhoneに比べて、処理能力は50倍、グラフィクスは84倍。

さらに最大50%のバッテリ効率アップ。ゲームやフレームレートの高いタスクにも耐えられるA8プロセッサ。The Metal のタイトルがiOS 8に。Health アプリをフィーチャー。またVoice over LTE (VoLTE)をサポート。Wi-Fiは802.11acで、5sの3倍のスピード。iSightカメラは1.5μピクセル、F値2.2、新センサでフォーカスもより早く。プロ仕様のDSLRカメラにしかなかったFocus Pixelを搭載。手ぶれ補正、露光、顔認識も強化。

動画も進化。スローモーションが120 fpsから240 fpsへ。動画撮影時の手ぶれ補正も強化。

iOS 8ではメッセージアプリにに声認識、動画、ロケーション機能を追加。キーボード予測変換機能強化。Healthアプリで健康とエクササイズデータを管理。お気に入りアプリからの通知センター機能拡張。

最高水準レベルで環境にも配慮した製品。
(PRODUCT) REDも含めての純正シリコン、レザーケース。

6は16GBが2年縛りで199ドル、64GBが299ドル、128GBが399ドル。
6 Plusは16GBが299ドル、64GBが399ドル、128GBが499ドル。

ゴールド、シルバー、スペースグレイの3色展開で、9月19日発売。日本含む。予約は12日から。iOS 8は17日から無料ダウンロード。

そして  Watch。これまでで最もパーソナルなデバイス。
マウス、クリックホイール、マルチタッチと、アップルはさまざまなインターフェースを生み出してきたが、今回は「デジタル・クラウン(竜頭)」。なめらかに、正確に、操作をナビゲート。

フレキシブル Retinaを採用。赤外線と可視光LED、フォトセンサ、脈拍センサ搭載。

アピアランスも無数のバリエーションでカスタマイズでき、ステンレス、アルミ、18Kゴールドの合金で作られた筐体。デバイス同士のメッセージ交換機能。 Watch アプリのためのWatch Kit。

使う人のスタイルに合わせた、 Watch、 Watch Sport、 Watch Edition の3バリエーション。iPhoneと連動。価格は349ドルから。発売は来年。

以上が主なところです。

iPhone は大方の予想通り、大型化し、2サイズ展開に。
ウェアラブルウオッチの名前は、iWatch ではなく、 Watch。これからのアップル製品ラインの命名にも影響が出てきそうな感もあります。
そしてその Watch の紹介にはケヴィン・リンチが登場。(初登場じゃないかな)

何より、クックが初めて使った “one more thing”。
昨日、”one more thing” を使わないでよくやってる、というQuartzの記事を紹介したばかりでしたが、この時のために取っといたんですね〜。

昨日の私の記事で予習していた人は、iPhone 6と6 Plus の実物イメージが開始早々10分で登場したからには、もう Watch が発表されるってのは、早々にわかってましたよね〜(って、そんなのだれでも分かるわい)。

で、最後にU2のパフォーマンス。すっかりエスタブリッシュされてしまった(もう随分前にエスタブリッシュされきってますが)彼らの姿を見て、実はすこし、残念に思ってしまいました。大好きなバンドですよ。かっこいいし。でもね。やはりジョブズは音楽へのこだわりがすごかったかなと思います。その点はクックと違う。これは言っても始まらないですけど。

あと、個人的に気になったのは、 Watchの表記。
最初、ローンチビデオに「 WATCH」と出てきて、お、と思ったんですよね。全部大文字。これは新機軸じゃないかと。でもアップルの公式タイムラインを見ると  Watch と書かれてる。特にこだわりがなかったんだなと。

それと マークを使うと、やはり各所で表記がブレる可能性が高い。(追記:その後各所で Apple Watch と当たり前のように表記されています。 とあえて表記した意味はなんだったんだろう)
ただ表記の問題ですが、そういうところへのこだわりが薄れてきてる感じがするのは、すこし心配です。

とはいえ、あいかわらず楽しませてくれるアップルのイベント。
iPhone 6と6 Plusもそうですが、来年の Watch 発売も楽しみです。

クック初の “one more thing” とともに1年以上ぶりに再開したブログ。継続できるようにがんばりまーす。

(イベント直後の投稿のあとすぐに、手違いでブログが表示されなくなっていました。リンクを貼っていただいた方々、紹介いただいた方々、また御覧頂いた方々にお詫び申し上げます)

10. 9月 2014 by zacky1016
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アップルによる最高の製品は、言葉と絵でできている。

なんと1年以上のご無沙汰です。お元気ですか?

今回のイベント、キャッチが “Wish we could say more.”(もっとたくさん話せればいいのに)なんて、ハイコンテクストすぎて、ほんとに期待してしまいますね。

ジョブズの時代から、アップルの真骨頂は製品発表時のキーノート・ステージにあるわけですが、Quartz が過去の例を分析し、そのどこがスバラシイかを分析しています。アップルが生み出した最高のものは、アルミやガラスでできた何かしらのものじゃなく、言葉と絵、つまりキーノート・スピーチだ、というわけです。以下に概要です。

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「数字」

iTunes Storeに上がっているジョブズ時代を含めてのキーノートのキャストは27。その平均が88分。見た目はほぼ同じ、最小限のスライドにデモ映像、幹部や技術リーダーらによるデザインや製造工程の説明。

「登壇者」

ジョブズがいたときは、彼の独壇場。キーノートならぬ「スティーブノート」と呼ばれる2007年のiPhone発表時には、当時アップルの役員だったGoogle のエリック・シュミット含めて何人かがコメントのために登壇したが、ジョブズは90分以上ステージにいた。その後、プロダクトマーケティングのフィル・シラー、長くジョブズの庇護をうけたが2012年に辞めたスコット・フォーストルら、他の重役が立つ時間が長くなる。

Steve Jobs Apple keynote chart

クックは異なるアプローチをとるが、やり方がスマート。むしろ司会者に徹している。ライバルについてのちょっとしたギャグをおりまぜながら、アップルという会社の最新情報から始めて、その後はシラーにはハードウェア、クレイグ・フェデリギにOSと、手綱を渡すのだ。

Tim Cook Apple keynote time chart
通常クックの登壇時間は20分未満。しかし彼がステージに立たないのは、従業員だけじゃなく、アップルのファンや消費者も含めた、アップル・コミュニティの存在を、見るものに思い出させるため。彼が受け継いだ会社を、いかに彼自身が理解し、大切におもっているかを、分かってもらうためだ。彼の口癖は “only Apple…”。ほかならぬアップルしかできない技を見せつけるときに使う。

「いちばん面白いのは誰?」

観客も重要な要素で、いかに心を掴むかが鍵となる。アップルはドラマ、視覚的ユーモア、内輪のジョークで観客を巻き込む。情報を伝えるのも大事だが、楽しませるステージなのだ。ジョブズがスターバックスに電話をかけたのは、覚えてるよね。今年のWWDCでは5000人の観客が、117分のキーノートで50回以上爆笑した。100回以上、大歓声でステージがストップした。最近ではマイクロソフト、グーグル、アップルも含めての重役たちがからかいの対象になっている。そこで、誰が一番笑いをさそったか調べてみた。クックが予想以上に面白い。フェデリギがその2倍。

The funniest Apple executives chart
このところフェデリギが働き者だ。カリスマも、ユーモアも示せている。最後にはクックも彼をスーパーマンと呼ぶほどだ。今回のイベントでも、働くだろう。時計のジョークも、準備してるかな?

「発表のタイミング」

一番知りたいものについての発表そのものは、端的だ。みんなそれが買いたい、何かを知りたい。そう思わせないといけない。だから背景説明とサスペンスで焦らす。ジョブズは例の “one more thing” で、最後まで取っておいた。クックは、大したものだ。これは使わない。新しいiPhoneがどんなものが知りたいだけなら、45分くらいで来るだろう。でも最近は、早めに出す傾向がある。特に明日はいろいろ発表されるかもしれないしね。

When Apple shows off the new iPhone chart

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さて、みなさん。準備はOK?

09. 9月 2014 by zacky1016
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WWDC 2013、設営開始!

Mashable によりますと、6月10日からサンフランシスコのモスコーニ・センターで開催されるWWDC 2013の準備が始まったようです。

開発者向けのプログラムがメインのイベントではありますが、いち消費者としては、発表予定の新製品が何か、というのも気になるところです。

会場内に貼りだされた巨大バナーには、既出のロゴのまわりにカラフルなスクエア模様がちりばめられています。

さてこれは何を意味するのでしょう。カラバリ展開が予想されている廉価版iPhoneか、はたまた、最近ウワサも下火になっているiWatchなのか、あるいはMacBook Airの新色展開???

わっくわくですね。

2010年には、MacWolrd開催中に運良く訪れることのできたモスコーニ・センター。

そして次の年、製品発表の機会としては、スティーブ・ジョブズが最後に登壇した場所となったモスコーニ。

またチャンスがあったら、行きたいなぁ。

06. 6月 2013 by zacky1016
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WWDCを目前に思う

ずいぶんとごぶさたしております。

目前に控えたWWDCでは、新しいMacが紹介されるのではという噂が出ているようですね。

このところ、いち消費者として、アップル製品とはまったりした付き合い方をしています。

最近思うのは、身の回りにある情報端末に対して、あまり多くを求めなくなった、ということです。

日和ってるのかな、と思う一方、そうでもない気もします。

私にとって最初の「パソコン」となるPower Macintosh 7600/200を買ったのは、もう30歳も目前にした頃。ジョブズがアップルに戻る前の製品です。あの爆弾マークとしょっちゅう取っ組み合いしながらも、文書編集しかできないワープロ専用機しか使っていなかった者としては、「インターネット」が使える「情報端末」の恩恵をずいぶんと感じていたものです。

それ以降数々の情報端末を渡り歩いたわけですが、2008年のMacBook Air発表のとき、アップルとは一蓮托生の運命を感じたのです。フルキーボードを備えた薄型の、実用に耐えるバッテリーを備えたあの姿を一目見て、

「究極のモバイル端末」

そう思いました。同年日本でiPhoneが発売され、スマホ普及のきっかけを作り、そして2010年のiPad発表。ウルトラブック、タブレット、大画面タッチパネルのスマホなど、今、巷に普及している情報端末の先鞭は、アップルによってつけられたものです。

近頃、株価が下がった、アップルは新しい何かを生み出せていない、など、いろいろと言われているようです。

私は、特に2007年からの5年間、アップルは情報技術に「奇跡的な革命」をもたらした、と考えています。

これだけ代謝の激しい時代ですから、常に新しい何かを生み出さなければ、すぐに評価が下がるのはわかります。

でも、この数年間にアップルは、まさに情報技術革命を牽引した。特にヒューマンインターフェースについては、少なく見積もってもあと十数年はこの分野の基本理念であり続けるでしょう。

タブレット端末はタブレット端末として最適化されるときに、最大のメリットをもたらす。モバイルPCも然りです。iPadが登場した当初は、私も様々なハイブリッド端末を夢想しました。でも、今になってはっきりとわかることは、アップルには、「何が売れるか」ではなく、「何を作るべきか」を説明する根拠がある、ということです。奇妙なハイブリッド端末を作らず、タブレット端末をタブレット端末として、モバイルPCをあくまでモバイルPCとして作り続けているのには、理由があるのです。

私は現在、iMac、MacBook Air、MacBook Proを用途に応じて使い分け、iPadも様々な状況に応じて利用しています。

それぞれの製品がそれぞれにブラッシュアップされていくことで、日々の生活が快適になる。

10年後は少し事情が違うかもしれませんが、少なくとも今の私がアップルに求めるものは、そういったことです。

懐かしの…

懐かしの…

 

 

 

01. 6月 2013 by zacky1016
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Jonathan IveがCEOに就くべき?

Forbesの記事 With Apple Profit Falling, Board Should Replace Tim Cook with Jony Ive がちょっとした話題になってるようです。先日行われたアップルの前四半期の決算発表を受けたこの記事(by Peter Cohan)では、アップルがさらなる成長を続けるためには、現CEOであるTim Cookにとって代わり、同社の現インダストリアルデザイン部門上級副社長でありHI部門も統括するJonathan IveがCEO職につくべきだ、というのです。前四半期、アップルの総利益は増えたものの純利益が横ばいであったことを考慮しての見解のようです。

Computerworldはこの記事に対して「アイヴにCEOを任せるのはスティーヴ・ウォズニアックにCEOをやれ、っていうのと同じだ」として「クックは新しいカテゴリ・キラーを創出できていない」「だからデザインを担当するアイヴがやるべきなんだ」というピーター・コーハンの論旨に反論してます。

The Mac Observerも「スティーブ・ジョブズが後継者として選んだ人物なんだから、信頼すべきなんじゃないのか。あと2、3年は見守る必要があるだろう」とForbesの記事にはおかんむりのようです。

ただComputerworldも「クックは新しいカテゴリ・キラーを創出できていない」というコーハンの見解には特に異論はないようですし、Mac Observerも、現状が少々問題だ、という認識は持っているのは明らかです。

個人的には、アップルには小休止が必要なのではないかな、と思ってます。

1984年にコンピューターを「パーソナル」なものとして一般化させる画期的商品を生み出し、2001年に音楽視聴環境に大変革を起こす商品を生み出し、2007年にはタッチスクリーンを備えた携帯電話機能付きインターネット端末で通信業界に革命を起こし、2010年にはそれまでにあらゆる会社がトライして失敗し続けてきたタブレット端末を発売し、現在の「ポストPC」時代の先鞭をつけたのが、アップルです。

特にiPad以降の変化は凄まじいものです。まだ3年ですよ。世の中にとっては、ある種のショック状態が起こっていると見てもいいのではないかと思うぐらいです。つまり、まだまだ社会が現在のメディア環境に起こっている変化についていっていない。その間に、あまたの会社がコピー商品をつくって便乗している。

まあ、わたしは本当の当事者では全然ないので、利益の増減について切羽詰まったところがないのでこういうふうに言えてしまうのはわかってますが、何にしろ、あまりに強く、それも急激に出過ぎると、いろいろと問題は起こるのは当然のことかと思います。

ジョブズがマーケティングの人でありサプライチェーンの人であるクックを後継者に選んだことについては、アップルの価値を普遍化するにふさわしい人物だとジョブズがみなしたからであることは間違いないでしょうし、クックはその仕事をじゅうぶんにやってる、とわたしは思います。大変革が起こったあとに、地ならしをしている。私はそういうふうに見ています。

将来、さらなる価値の創出が必要になったときに、アップルの哲学を継承するアイヴが指揮をとるべき時期が来る、というのもこれは予想されることです。だから、CEO候補としてアイヴの名前があがるということについても、なるほどという気もします。

というか、この純利益の横ばいは、製品の売上が落ちた(日本の一部メディア(追記:だけじゃないですね)はそういうふうにしたい様子ですが)ことではなくて、下請けとか特許の問題とか、別の原因もいろいろと作用しているはずです。

ともあれ大事なのは、アップルが創出してきた価値の意味と歴史を、短期的な利益の増減にとらわれず、記憶し続けておくことです。

 

27. 1月 2013 by zacky1016
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iPad mini =タブレット最強説

見送ろうと思っていたんですけどねぇ・・・。

今回、「Kindleに似ている」というジョン・グルーバーのiPad mini評があって、このあたりどうなのだろう、と気になっていたのが、最終的に購入してしまった理由といえば理由です。(こっそり)Kindle 2とKindle Touchを使っている私ですが、KindleにはKindleなりの独特の質感があると思っています。全然チープではないし、仕上がり感も良い。ただ、それがiPad miniと似ている、という説明には違和感があって、そのまま心斎橋のストアで実機を見たわけです。案の定、違ったのです。ぜんぜん違う。違うじゃないか。

お兄さんに希望のモデルの在庫を尋ねると案の定「残念ながら昨日のうちに・・・」という返答だったので(見送りを決め込んでいた私としては安心して)ストアを後にし、まあ無いだろうと思って念のためビッ◯カ◯ラなんば店のアップルショップへと行きました。店員さんに、

「無いですよね」と余裕で聞くと、「ありますよ」という返事が。

「あと2台です」って。あは。

グルーバーのiPad mini評は、私には十分な釣り効果がありました(笑)。他にも釣られた人がいたのではないかと。

というわけで、1日使ってみました。

最強かもしれません。

確かにRetinaディスプレイに慣れた目で見ると解像度は気になるところなんですが、それは重要な問題ではありません。それを補って余りある、処理の速さと、軽さと、余裕のバッテリーの持ちと、常に側に置いていたいと思わせる絶妙なサイズと質感。

亡きジョブズがDOA(Dead On Arrival)だと酷評しつつ、実のところマーケットは存在するとも認めていた、というこのカテゴリのタブレットですが、英ガーディアンがこの辺り突っ込んだ分析をしています。これによるとNexus 7 や Kindle Fireがジョブズが言っいたように10インチiPadのディスプレイ面積の45%にとどまっているのに対し、対角線が7.85インチのiPad miniがオリジナルiPadのおよそ3分の2の面積を確保しているということなのです。

タッチパネルだけに画面の大きさの違いは重要ですが、これが案外、10インチiPadとの使用感を、なんだかほとんど感じないぐらい、余裕のタッチ操作ができる。

個人的には、近年のアップルは異常なまでにモバイルマシンのバッテリーのスペックに拘りを見せている気がするのですが、最初のタブレットとして7インチを考えるときに、このバッテリーのバランスは当時はまだネックになっていたのではないかと勝手に想像したりしています。

それに2010年という含蓄のある年に成熟したタブレット製品を満を持して出すのであれば、最低でも10インチ程度の大きさは必要だった、というのは、十分あり得る話でもあります(これを以ってアップルのデザインを批判するSamsungの論旨には脱力感しか感じませんが)。

ともあれ、まだ使用2日目のiPad miniですが、これからが楽しみなデバイスです。

なんだかんだ言って、結構すきなMapsアプリ。フォーストールよ、ありがとう。

 

04. 11月 2012 by zacky1016
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アップルのUIが変わる

米・アップル社のモバイルソフトウェア(iOS)担当上級副社長 スコット・フォーストール氏の退任が報じられています。iOS 6の地図アプリ問題に絡むものであることは間違いないようで、長年iOS開発を牽引してきた氏の退任については、正直なところ残念な気持ちがあります。当然ながら、彼をめぐってライバル企業の争奪戦が起こることも予想され、Business Insiderは「業界史上最も高額なフリーエージェント選手」として、FacebookやAmazonなど、彼がモバイルプロジェクトのボスになれそうな企業の名を挙げています(GoogleにはすでにAndy Rubinがいること、Microsoftについては、Windows 8など現在の取り組みがスコットの思想とかけ離れていることから、除外しています)。

というニュースの裏で、実質的にフォーストール氏の退任をうけた異動についてのアップルの公式発表がすでに行われました。これによると、インダストリアルデザイン担当上級副社長 ジョナサン・アイヴ氏がヒューマン・インターフェース部門の指揮をとることになった、ということです。他に、エディー・キュー氏はiTunesやApp Storeなどオンラインサービス統括に加えてSiriとMapsアプリを担当、クレイグ・フェデリーギ氏がOS Xに加えiOSも担当、ボブ・マンスフィールド氏が半導体部門に加え、ワイヤレス技術全般を扱う新規の「テクノロジー」部門を統括する、ということです。フォーストール氏とともに退任が発表されたリテール部門担当ジョン・ブロウェット氏は、今年はじめに着任したばかりでしたが、この部門についてはティム・クックCEOが直接統括するということです。

この動きのなかでやはり重要なのは、ジョナサン・アイヴ氏がHI部門の責任者となることでしょう。アイヴ氏がHI部門を担当することでまず変化が現れそうなのが、スキュアモーフィズム(skeuomorphism)というアプローチが採用されてきた領域です。これは例えば実物のノートのイメージを元にデザインされたメモアプリや、Podcastアプリで番組再生中に現れるオープリールのデザイン(これはこれでよくできたギミックだとは思いますが)などのように、実在する物を元にインターフェースをデザインする手法のことで、OS XとiOS両方のアップル純正ソフトウェアに広く使われてきた手法です。これについてはユーザーや批評家含め賛否がいろいろとあったのですが、アップル社内でも反対意見は当然あって、実のところその最先鋒がジョナサン・アイヴでした。過去のインタビューでもそのことを匂わせる反応をアイヴ氏は見せていましたが、彼がHI部門を担当することになると、恐らくは一番早く手をつけそうなのがこの辺りの問題ではないかと思われます。

何より、ハードウェアのデザインのみならず、ソフトウェアの「デザイン」つまり、アップル製品の「見た目」全てにジョニーのセンスが反映されるわけです。そしてこのことがどれほどのことを意味するのかが、まだよく把握できない状態です。

あるいは非常にドラスティックな変化が起こる可能性も無くはない? これは風雲急を告げる事態になるのでしょうか。

 

30. 10月 2012 by zacky1016
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ティム・クックからのメッセージ

アップル前CEO スティーブ・ジョブズ氏の死後一年をうけて、現CEO ティム・クック氏のメッセージならびにメモリアル映像+音声がアップルの公式サイト上で公開されています。すこしばかり、感傷に浸ってしまいました。

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A message from Tim Cook, Apple’s CEO

Steve’s passing one year ago today was a sad and difficult time for all of us. I hope that today everyone will reflect on his extraordinary life and the many ways he made the world a better place.

One of the greatest gifts Steve gave to the world is Apple. No company has ever inspired such creativity or set such high standards for itself. Our values originated from Steve and his spirit will forever be the foundation of Apple. We share the great privilege and responsibility of carrying his legacy into the future.

I’m incredibly proud of the work we are doing, delivering product that our customers love and dreaming up new ones that will delight them down the road. It’s a wonderful tribute to Steve’s memory and everything he stood for.

Tim

 

1年前、スティーブが亡くたったことは、私たち皆にとって悲しく、つらい出来事でした。今日、みなさんが、彼の類まれなる人生と、彼が多くの点で世界をより良い場所にしたということについて、思いを馳せてくれていることを願います。

スティーブが世界に残してくれた最高の贈り物のひとつが、アップルという会社です。これほどまでの創造力を発揮し、これほどまでに高度な要求水準を自らに課した会社は、他にありません。われわれの価値観はスティーブに由来し、彼のスピリットは永遠にアップルの礎となることでしょう。私たちが共有するのは、彼が残した遺産を未来に引き継ぐことができるという特権であると同時に、その責任なのです。

私たちが今取り組んでいること、ユーザーのみなさんに愛していただける製品をお届けし、将来にわたって皆さんに喜んでいただける製品を開発していることを、私はとても、とても誇りに思っています。それが、スティーブに対する、そして彼が敬意を表したすべてのものに対する、最高の手向けでもあるのです。

ティム

 

 

06. 10月 2012 by zacky1016
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iPhone 5付属のイヤフォンやいかに。

iPhone付属のイヤフォンの形状が、iPhone 5から大きく変わりました(第5世代iPod touchと第7世代iPod nanoも同様)。

その名も EarPods。今回はケースに入ってます。

アップルマーク入り。裏は…

きっちり。持ち運び用にもよさそうですが、入れ直すのに少々手間がかかりそうです。で、取り出すと…

鯉のお口っぽいのが可愛いです。

耳につけてみましたが、旧型イヤフォンと比べて奥行きがあり、耳から外れにくい形状です。その分気密性が高まるせいでしょうか、中低音域の再現性が格段に改善されている感じがします。まだ移動中に試していないのですが、環境音がどの程度遮断されているかによって、音量の調節に多少気をつかう必要があるかもしれません。ただこれは、音質が非常に良いことの裏返しでもあるかと思うので、難しいですね。聴く側の責任が求められるところかと。

最近は移動中にはもっぱらMotorolaのS9-HDを使っていたので有線のヘッドセットはご無沙汰でしたが、今回のEarPodsについてはS9と併用したいと思わせる良さがありそうです。期待。

 

22. 9月 2012 by zacky1016
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